腸活
「腸活」 知っているようで知らない腸のこと
食べ物の消化、吸収、排便を担っている「腸」。腸は全身の健康を支える要です。
それだけでなく、さまざまな重要な働きをしていることが、近年明らかになってきました。
腸にはどのような力が秘められているのでしょうか。
Q 免疫に関係する体内の「リンパ球」のうち、腸にあるのは?
①(全体の)10%未満
②10%以上50%未満
③50%以上
A ③
腸は「人体最大の免疫器官」。人間の腸を広げると、大腸、小腸合わせて、テニスコート1面分の大きさで、腸管の内側のひだの中に約1000種類、合計100兆個もの腸内細菌が棲んでいます。それらの腸内細菌が免疫力アップに関与しているといわれています。
Q 緊張するとおなかが痛くなるのは気のせい?
A ❌
腸と脳は約2000本もの神経繊維でつながっており、ストレスで脳が緊張すると腸の働きが悪くなります。また腸には、脳に次いで多くの神経細胞が存在するとともに、脳からの指令がなくても動くことが可能なため、「第二の脳」と呼ばれています。
Q 高齢になるほど便秘になりやすい?
A ⭕️
腸壁の弾力性は、加齢、生活習慣や食習慣の影響で低下しやすく、便秘になる傾向があります。一方で、腸内環境が整っていると血流や代謝もよく、体の恒常性が保たれます。腸が健康だと、見た目も若々しいといわれ、健康寿命を延ばすことにもつながります。
Q 便に含まれる水分は、何%?
①70〜80%
②40〜50%
③20〜30%
A ①
便の70〜80%は水分のため、こまめに水分補給することでスムーズな排便がうながされます(目安:1日に計1.5〜2ℓほど)。特に起床時にコップ1杯の常温の水を飲むことで、胃・結腸反射により、大腸が動きだします。
Q 食物繊維は夜にとるべき?
A ❌
食物繊維(主に不溶性食物繊維)は便のかさを増やしてくれる一方で、消化に時間がかかるため、昼食時にとるのがおすすめ。また、腸の健康には睡眠も大切。睡眠中に腸内の掃除をするホルモンが分泌されるため、寝る3時間前には食事を済ませて胃腸を休めましょう。
Q 手足や腰の冷えと腸の冷えは関係ない?
A ❌
手足などの奥には、「腸冷え」が隠れていることも。おなかが冷えると自律神経のバランスが崩れやすく、腸の働きが悪化し便秘や下痢に。さらに腸内細菌のバランスも崩れ、代謝が悪くなり免疫力が低下するなど、悪循環に陥ります。腸冷えを防ぐことが健康を守ることにつながります。
参考文献
松生恒夫 『免疫力を高めて、からだの中からパワーアップ』