糖質オフダイエット
今回、ご紹介するのは“糖質オフダイエット”
最近スタンダードになってきていますが、「とりあえず糖質を制限すればいいんでしょ」と安易に実践すると、間違ったやり方による悪影響が出てしまう恐れもあります。
※糖質オフダイエットは腎臓や肝臓、すい臓の機能に疾患がある人や妊娠中の人には向きません。そのほか持病のある人や長期間続けたい人は、必ず医師に相談してください。
「糖質」っていったい何?
糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものです。ご飯、スイーツなどに多く含まれるほか、根菜類や麦を原料とするビールにも多く含まれています。「脳の働きをよくするのはブドウ糖」といわれ、糖質をとらないと脳の働きも鈍ってしまうように思われるかもしれません。しかし、外から炭水化物(糖質)をとらなくても、筋肉中や肝臓に蓄えられたグリコーゲンが糖質に変わるため、心配はいりません。糖質を断つと、体に蓄えられた脂肪を上手に使えたり、やせ体質に近づくことができます。
どうして「糖質」を抑えるとやせるのか?
人間の体は常に糖質を求め、それを脂肪に変えるようにプログラムされています。その積み重ねが「太る」ということです。糖質を多くとると、血液中にブドウ糖が増え、血糖値が上昇します。すると、膵臓からインスリンと呼ばれるホルモンが分泌され、それにより糖質はグリコーゲンに変化し、一部は筋肉や肝臓に蓄えられますが、余った分は中性脂肪となってため込まれていきます。ため込んだ脂肪を、体は使いたがりませんが、糖質オフで体に糖質を入れないと、やむをえず蓄えた脂肪を使うようになり、やせることにつながります。まずは1日の糖質摂取量30㌘以下の短期集中糖質オフダイエットから始めましょう。
糖質オフダイエットの OK & NG 食材
身近な食材に含まれている糖質量。料理を作るときや、外食をするときの参考にしてみてください!
たくさん食べても大丈夫!
OK食材
【肉類・魚介類・卵】
糖質量が少ないたんぱく質は思う存分とってOK!
牛肉、豚肉、とり肉、ラム肉、ハム、生ハム、ベーコン、ウインナーソーセージ、コンビーフ、青背の魚(あじ、いわしなど)、白身の魚(鮭、すずき、鯛など)、赤身の魚(まぐろ、かつおなど)、貝類(あさり、はまぐりなど)、いか、えび、たこ、ツナ缶、鶏卵、うずらの卵
【大豆製品】
良質なたんぱく質もご飯の代わりに積極的にとってOK!
もめん豆腐、絹ごし豆腐、厚揚げ、油揚げ、納豆、大豆の水煮、おから、ゆば、豆乳(成分無調整)
【野菜】
緑の葉野菜は糖質量が少なく、たくさん食べても大丈夫!
青菜(チンゲンサイ、ほうれん草、水菜、小松菜など)、レタス、もやし、きゅうり、さやいんげん、枝豆、たけのこ、ゴーヤー、ブロッコリー、カリフラワー、アボカド、きのこ類(えのきたけ、しめじ、しいたけなど)
【乳製品】
カロリーは高めだけど、実は糖質量が少ないので安心!
バター、チーズ、生クリーム
【調味料類】
シンプルなものなら基本的にはOK!
塩、しょうゆ、酢(穀物酢)、みそ(淡色辛口)、マヨネーズ、オリーブ油
避けたほうがベター!使うときは量に注意
NG食材
【魚介類】
魚そのものは大丈夫だけど、混ざりものが多いとNG
練り製品(ちくわ、はんぺん、魚肉ソーセージなど)
【大豆製品】
無調整なら大丈夫。飲みやすいよう甘みがつくとNG
豆乳(成分調整)
【野菜】
ご飯やパンと同じくらい糖質が多いので要注意
いも類(じゃがいも、さつまいも、里いもなど)、根菜類(にんじん、れんこん、ごぼうなど)、玉ねぎ、トマト、とうもろこし、かぼちゃ
【フルーツ】
糖質オフ中は残念ながらガマン
全般
【穀類・加工品】
豆腐やサラダに置き換えるのがおすすめ!
米、小麦、そば、はるさめ
【調味料類】
甘みがついているものは要注意!
砂糖、ウスターソース、中濃ソース、めんつゆ、焼き肉のたれ、トマトケチャップ、カレールウ
量に気をつければOK
△(サンカク)な食材
【肉類】
レバー
【魚介類】
からし明太子
【野菜】
パプリカ、ピーマン、長ねぎ、大根、キャベツ、なす、白菜
【乳製品】
牛乳、ヨーグルト
【調味料類】
トマトピュレ、ポン酢じょうゆ
1日30㌘以下、1食10㌘以下の糖質摂取量を目指して!
短期集中糖質オフダイエット
ますは3日間、糖質を1日30㌘以下に抑える短期集中版でやせ体質をしっかり手に入れましょう!
ストレスなく、やせ体質を手に入れる
「短期集中糖質オフダイエット」は、ますは3日間の食事で糖質量を1日30㌘以下に抑えることを目指します。それ以降は夜だけ糖質オフのゆるやかなダイエットに移行します。ほかのダイエットと違い、糖質以外の制限はないので空腹感に悩まされることもなく、4日目以降はさらにゆるむので、ストレスも少なくてすみます。体重が急激に減ることはないかもしれませんが、やせやすい体質に変わるので確実に効果を実感できるはずです。やせた後も、ゆるやかな糖質オフを続けることをおすすめします。自分の食生活を見直し、理想の体重を手に入れましょう。
短期集中糖質オフダイエットのいいところ
①糖質依存症を知るいい機会
現在の食生活を見直し、自分がいかに糖質を過剰に摂取しているか、依存しているかを知り、太る原因を認識しましょう。
②短期でやせ体質を手に入れる
3日間は糖質オフ、4日目以降は夜だけオフとゆるやかなので、最初の3日間で集中して頑張れば、あとは自然とやせ体質になれるはずです。
③満足感があるからつらくない
糖質は控えても、それ以外の制限はないため、肉や魚介、糖質が少ない野菜ならいくら食べてもOK!お酒も一部は大丈夫なのでうれしい!
短期集中糖質オフダイエット “5つのルール”
ルール1 最初の3日間はできる限り糖質を抜く
スタートから3日間は、朝食、昼食、夕食の全食事(もちろんおやつも!)から糖質をできるだけ抜く短期集中糖質オフダイエットを実行してください。主食となるご飯ものや根菜、果物は避けましょう。4日目以降は夜だけオフのゆるやかな糖質オフを続けましょう。
ルール2 肉、魚介、卵はいっぱい食べてよし!
糖質量さえ抑えれば、カロリーは気にしなくてよいのが糖質オフダイエットのよさ。特に、肉、魚介、卵などたんぱく質を使ったボリュームのある料理はおなかを満たし、さらに代謝を高める効果もあるので積極的にとりましょう!
ルール3 豆腐やおからを主食代わりに活用
肉や魚料理が食べ放題なのはいいけれど、ご飯やパンがないともの足りない!という人は、シンプルな冷や奴や豆腐とおからをポロポロにいったものを主食代わりに上手に利用しましょう。
ルール4 ダイエットだけど揚げものもOK
一般的なダイエットだとカロリーが高い揚げものなんてもってのほか。ところが糖質オフダイエットなら、糖質だけがNGなので揚げものはOK。ただし、ころもに使う小麦粉、パン粉は糖質が多いので、おからや卵などで代用しましょう。
ルール5 調味料はなるべくシンプルに
意外な落とし穴が調味料。塩、こしょう、しょうゆ、など基本的なものはOKですが、市販のドレッシングやタレは糖質が多いので控えましょう。マヨネーズは通常タイプはOKですが、カロリーダウンタイプは糖質が高いのでNG!
参考文献
牧野善二 『糖質オフダイエットってどうしてやせるの?』