今さら聞けないインフルエンザ知識

kenzo 2020-02-13 12:48

そもそもインフルエンザとはどんな病気でしょうか?

毎年、冬になると猛威をふるう季節性インフルエンザ。身近な病気ではありますが正しい情報を知っているかというと?

どんな病気なのかを理解すれば、あやふやな情報に惑わされることなく、適切な対応ができると思います。

まず、インフルエンザと風邪は、どう違うのでしょうか?

インフルエンザも広い意味では風邪です。正確には、風邪症候群の一つです。ただ、そのなかでも特徴があり重症化しやすいために、普通の風邪と区別して扱われています。

インフルエンザウイルスに感染して発症すると、喉の痛みや鼻水といった前ぶれなしに、いきなり38℃以上の高熱が出やすいです。関節痛、倦怠感などの全身症状をともなうことが多いです。

注意したいのは合併症です。気管支炎や重い肺炎、急性脳症になる危険もあり、そこが普通の風邪との大きな違いです。

また、“季節性”というからには寒い時期にだけ流行するものと思いがちですが、それも間違いです。実は一年中罹る可能性があります。なぜ冬以外にも流行するのかというと、そこには人の移動が関わっています。今の時代、人は世界中移動します。例えば、日本の夏は南半球の冬ですので、夏でも南半球など他の地域からウイルスが持ち込まれることもあります。例年、国内のところどころで流行し始めるタイミングは9月。夏休み明けの子供たちが学校に集まると、1人から学級単位へ広まることになります。その局地的な流行が地域流行になります。しばらくは地域によって濃淡がある状態ですが、やはり多くの人が移動する年末年始を経て1〜2月には全国的に広がり、流行のピークを迎えます。

インフルエンザは咳やくしゃみなどで人から人へ飛沫感染するウイルスなので、人の移動パターンに従って、例年同じような時期に流行が起きます。とは言え、年によって違いがあるのも事実です。 

 

インフルエンザには種類がある

1シーズンの間に2度も3度も罹る人がいます。それは、インフルエンザにいくつかの「型」があるからです。

主には、A型とB型の2つです。一度A型が発症して治った人が、今度は違う種類のA型に罹り、その後B型にも感染するということは充分にあり得ます。秋頃から早い時期にA型が先行して流行し、春にかけて後からB型というパターンが多いですが、例外もあります。

B型は人と人の間だけで感染するが、A型は稀に豚や鳥からも人に感染する危険性があります。また、急な高熱や重度の合併症など、インフルエンザ特有の症状を引き起こしやすいのはA型の方です。

やっかいなことに、A型のなかにも様々な亜型(種類)があって、流行する亜型は毎年変わります。さらに同じ種類でも、発症した場合の症状の重さもまちまちです。形を変えながら進化していくA型のウイルスは、ときに強い病原性を持つ新型となって世界に広まります。

2009年に新型のインフルエンザの世界的な流行がありましたが、あれもA型の一種で、もとはメキシコの豚の間で流行していたものが、豚から人へ、そして人から人にも感染したことから、『豚インフルエンザ』とも呼ばれました。このように、人が今まで経験したことのないウイルスを新型インフルエンザといいます。誰もそのウイルスに対する免疫を持っていないので、重症化しやすく、感染が一気に広がります。

リスクが高いのは、こんな場合

インフルエンザに罹りやすい人と、罹りにくい人がいるわけではありません。そのウイルスに対する免疫を持っていなければ、誰でも罹るものです。子供や高齢者が罹りやすいというイメージがありますが、それは正確にいうと、罹りやすいのではなく重傷化しやすい人です。同じウイルスに感染しても、症状が重くなる人もいれば、自分でも気づかないくらい軽い人もいるのです。

子供、高齢者、喘息などの呼吸器疾患や心疾患などがある人は、感染後に重症化するリスクが高めです。ストレスや疲労による体力低下がどのくらい影響するのかは明らかになっていないですが、例えば、その年すでにインフルエンザに罹って体力が落ちていたときに別の型に感染すれば、再び症状が出やすくなる可能性はあります。

罹りやすさに関係あるのは、環境因子です。人から人へ飛沫感染するというインフルエンザの特徴を考えれば、流行時期に子供たちが密着して遊んだりしているのは確かに“罹りやすい環境”といえます。

インフルエンザは飛沫感染ですので、流行が始まると、感染した人のくしゃみ、鼻や口を触った手などを介してウイルスがあちこちに付着している状態になります。多くの人が罹りやすい環境にさらされているということです。

感染した人がくしゃみをしたときにウイルスが飛ぶ距離は2mほどですので、すぐ近くでなければ、同じ空間にいても感染しません。ただ、感染者が鼻や口を触った手でどこかを触り、後でその場所を触った他の人が鼻や口に手をやることでもうつってしまうので注意しましょう。

 

流行前後、積極的に気をつけておくと、よいことは?

インフルエンザは、なんといっても予防が肝心です。本当に効果のある方法を知っておきましょう。

まずは正しい手洗い。これはかなり有効です。手洗いは病原菌を選ばないので、インフルエンザ以外の感染症も防ぐことができる万能の予防法です。

上記で説明したように、様々な場所に触れた手が感染の原因になることは多いです。乾燥に強いインフルエンザウイルスは一度付いた場所に長く居続けることができます。流行しているときは、人が触るところ=ウイルスがあるところと見なして、帰宅後は真っ先に手を洗いましょう。丁寧に洗うのはもちろん、こまめに洗うのもポイント。アルコール消毒も有効です。

一方、手洗いとセットのようにいわれがちな「うがい」には、それほどの効果が見込めません。実は、うがいの効果は手洗いと比べると限定的です。ウイルスは鼻の粘膜や喉の奥の上の方に付いて、早ければ数分のうちに感染が成立します。うがいをしても届かないところで感染することと、感染するタイミングでうがいをするのは不可能なことから、感染を防ぐのは難しいと考えられるのです。

口の中にもともといる雑菌には、悪い菌をブロックする役割もあるので、うがいの際に口腔内を殺菌しすぎないように気をつけましょう。

インフルエンザの季節に欠かせないものといえばマスクです。その重要度は、感染している人と予防したい人とでも異なります。すでに感染している人がマスクをすることは、とても有効です。くしゃみや咳が出るときにマスクで遮断すれば、飛沫が拡散するのをある程度防げるからです。インフルエンザかもしれないと思ったら、必ずマスクを着用しましょう。人がいるほうに向けて咳をしない「咳エチケット」も忘れずにしましょう。

一方、予防のためのマスクは少し違ってきます。

ウイルスを含む飛沫は空気中で細かくなるので、マスクで完全に防ぐことはできません。しかし、マスクをしていることで、ウイルスの付いた手で鼻や口を触らなくなるという意味では効果があります。感染予防のためには、普段からあまり顔を触らないように心がけたいですが、無意識のうちにそうしてしまう人にはマスクがおすすめです。

乾燥対策として加湿をするのも悪くありませんが、インフルエンザを予防する直接的な方法とはいえません。

うがいにしても加湿にしても、やっていけないわけではありませんので、有効度の高い対策をしっかりとした上で好みのものを取り入れるようにしましょう。

 

日頃から心がけたいこと

◎手洗い   ◎ワクチン  

◯マスク   ◯人混みを避ける  ◯アルコール除菌  

△加湿    △うがい   

 

予防接種とは、どんなもの?その意味について

よく、インフルエンザの予防接種をしたのに罹ってしまうケースがあります。だからワクチンなんて意味がないという人は、少し誤解しているかもしれません。

予防接種は、インフルエンザに罹ることを防ぐものではなく、罹ったときに重症化するのを防ぐためのものです。ワクチンを打ったからといって、感染しないというわけではありません。

脳症、重篤な肺炎など命にかかわるような症状を起こさないためのものになります。

毎年10月からワクチンを接種できます。1回分のなかにA型とB型2本ずつ、計4本のワクチンが入っていますが、その年の流行予測に基づいた2本が選ばれています。

世界全体で見てみると、毎年インフルエンザの流行は南半球からスタートします。日本では、その年の南半球で流行した型や前年のデータなどを参考にしつつ、夏頃にはその年のワクチンを決め、製造し始めます。

予測の正解率はまずますといったところです。インフルエンザが大流行する時季は受験シーズンでもあり、毎年問題になります。100%当たる保証はありませんが、家族に受験生がいたり、仕事を休めないという人は、ワクチンを打っておくことをおすすめします。

予防接種のタイミングにもコツがあります。ワクチンは打ってから効果が出るまで2週間ほどかかるので、大きな流行になる前、12月半ばまでには接種を受けた方がいいです。まだ大丈夫とのんびりしていると、あっという間に大流行し、ワクチンが効果を発揮するより先に感染・発症してしまうおそれもあります。

 

罹ってしまった!?どうしたらいいだろう・・・

インフルエンザかもしれないと思っても、すぐに病院に駆け込むのはちょっと待った!発症した直後だと、正確な検査結果が出ないこともあります。症状が現れて、6〜12時間後に検査するのがベストです。また、検査の精度がよくても約90%程度ということも心に留めておきたい。結果が陰性だったとしても、10人に1人程度は感染している可能性があるので油断は禁物です。

検査がマイナス(陰性)なことが、インフルエンザではないという証拠にはならないのです。それらしい症状があれば、検査結果によらずインフルエンザとして対処したほうがいいです。

症状が軽ければ、薬を飲まなくても安静にしていれば数日以内で回復することが多いです。高熱が長く続いてつらい場合、一日でも早く直したい場合は、タミフル、ゾフルーザといったインフルエンザ薬を処方してもらいましょう。

薬を服用するなら発症後48時間以内が効果的とされています。検査のタイミングも考えると、発症して2日目に医療機関に受診するのが理想的です。

薬の効果は発熱を1日短くする程度です。普通の風邪と同じように、免疫の働きを助けるべくしっかり休むこと、水分補給と、食べられる範囲で栄養を摂ることも忘れずにしましょう。そして、熱が下がっても、すぐに会社や学校へいかないことです。ガイドラインでは子供が登校できるのは発症から5日以上、解熱してから48時間以上が基準です。成人もそれに準じると考えていいでしょう。

罹ったら、人にうつさないように細心の注意を。予防するための心がけと、うつさないための心がけ。インフルエンザ対策には、その両方が大切です。

参考文献

今村顕史 『何が問題?防ぐ方法はある?大人のインフルエンザ基礎知識』

 

 

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