食事による血糖コントロール
血糖コントロールが必要な人は、市販のおかずを買ってきて食べる「中食」や外食をする際、どのようなことに気をつけたら良いのか?
食事を整えるポイントをご紹介していきます。
*栄養成分表示を見るときには
特にチェックしたい項目は、血糖値を上げる「糖質」、
「エネルギー(カロリー)」と「食塩相当量(塩分)」です。
〈塩分量〉食塩相当量ではなく、ナトリウム量で表示されていることもあるので、「ナトリウム400㎎=食塩相当量1g」として換算します。
〈糖質量〉炭水化物から食物繊維を除いた分。市販品の栄養成分表示には炭水化物しか記載していないことが多いので、「炭水化物」の数値を目安にチェックしましょう。
中食 スーパーで買う 基本編
食事の基本パターンは、 主食 + 主菜 + 副菜
主食・主菜・副菜を選んで組み合わせると、栄養バランスが整いやすくなります。血糖値の安定のためには、主食の量を毎食同じくらいにすることが大切です。それがおかずの食べ過ぎや間食を防ぐことになります。
主食 ごはん、パン、めん類など
量が多くならないよう気をつけましょう。ごはんは茶碗1杯分(150g)くらい、おにぎりなら1個が目安。「ごはんとめん類」などダブルで選ぶのはNG。はるさめを使ったスープやサラダも糖質が多いので主食としてカウント。塩分を控えるには、「おにぎり」より「ごはん(調味なし)」にしましょう。
例 ごはん(150g) or パンなら味つけのないもの
主菜 たんぱく質がとれるおかず(肉や魚、大豆・大豆製品、卵など)
手のひらに収まるくらいの大きさ(量)が目安。こってり甘辛味のものは、砂糖などの糖質が多く含まれるので、シンプルな味つけのものがベター。魚なら甘辛い煮魚より焼き魚を。肉は照り焼き風よりソテー、塩炒めなどにしましょう。
例 鮭の塩焼き or 肉なら塩味の焼き鳥(3本)
副菜 野菜や海藻のおかず
緑黄色野菜、根菜、海藻、きのこなどの嚙みごたえのあるおかずを1〜2品。芋類は糖質が多いので、とりすぎに注意。副菜は、血糖値の上昇をゆるやかにするだけでなく、食事の満足感をアップして、主食の食べすぎも防いでくれます。
例 トマトサラダ、タコとわかめの酢の物
1食分合計 479kcal 食塩相当量3.3g
中食 スーパーで買う 揚げ物編
揚げ物はカット野菜を活用して「食べすぎ」防止!
高エネルギーの揚げ物は、カット野菜といっしょに食べることで食べすぎを防ぎましょう。小ぶりに切って口に運ぶ回数を増やすことで、早食い防止にもなります。ごはんは雑穀ごはんにして食物繊維と食べごたえをアップ。
主食 例 パック雑穀ごはん(150g)
主菜 例 鶏肉の唐揚げ(3個)
副菜 例 カット野菜1/2袋(85g)、ノンオイルドレッシング(大さじ1)
1食分合計 670kcal 食塩相当量3.3g
*ごはんについて
雑穀や玄米、もち麦などは、食後の血糖値の急上昇を抑える食物繊維が豊富。電子レンジ加熱ですぐに食べられる包装米飯は、種類も多くて重宝。小盛りパック(150g)で1食分の適量になります。
中食 コンビニで買う 夜遅い場合
夜遅い食事は、主食を控え、低脂肪の主菜を
主食をおかゆや雑炊にすると、糖質とエネルギーを大幅にセーブできます。主菜は低脂肪のものを。緑黄色野菜や豆、海藻の副菜を添えれば、食物繊維、ビタミン、ミネラルもバランスよくとれます。
・サラダチキンがゆ
おかゆは丼1杯食べても、糖質もエネルギーも白ごはん茶碗1/3杯程度。食事の間隔があいて食べすぎてしまいがちな遅い夜に、お腹もふくれて満足感も大。サラダチキンは低脂肪で、適度な塩味で白がゆがおいしく食べられます。
主食 例 白がゆ1袋(250g)
主菜 例 サラダチキン1/2パック
副菜 例 豆とひじきのサラダ、タコとブロッコリーとポテトのバジルソース
主食の食べすぎを防ぎ、食物繊維を確保できるので、副菜もとりたい。複数組み合わせると塩分が高くなるので、なるべく1品が食塩相当量1g前後のものを選びましょう。
1食分合計 301kcal 食塩相当量2.2g
*夜遅い食事は
食事のリズムが乱れると血糖値の変動のリズムも乱れてしまうので、夜遅い食事はできれば避けたいものです。夜は食後の活動量が少ないので、食べすぎると血糖値が上がったままなかなか下がらないことになります。ぜひ、軽めの食事にとどめ、控えた分は翌朝にまわしましょう。
外食 定食チェーン店・ファミレスで食べる
定食チェーン店
「青魚塩焼き定食」にサラダをプラス
定食は主食、主菜、副菜がそろい、丼物や単品料理に比べると栄養バランスもとりやすく、皿数が多い分、早食い防止にもなります。ただし意外と野菜が少ないので、サラダなどの「塩分が高くない副菜」を追加するとベター。
例 サバの塩焼き定食+サラダ(野菜を先に食べると、血糖値の上昇がゆるやかに)
はかの魚や肉の定食に比べて、エネルギー、糖質、塩分とも少なめになります。サバのみそ煮はたれに糖分が多いです。魚定食に多いホッケは干物で大ぶりな分、塩分が多いです。ごはんは、あれば雑穀入りを選びましょう。
ファミレス
「野菜がとれるドリア」がおすすめ
ファミレスでは、例えばハンバーグにライスかパン、サラダのセットにすると、1,000kcalを超えることも多いので栄養分表示のチェックを!ドリアはごはんの量も多すぎず、エネルギー、塩分も控えめです。ドリンクバーの甘いジュース類は糖質もエネルギーも高いので、お茶やブラックコーヒーにしましょう。
例 緑黄色野菜のドリア+サラダ(あれば緑黄色野菜がとれるもの)
野菜がたっぷり入ったドリアは、ごはんの量も適量で、自然に野菜→ごはんの順に食べることもできます。スパゲティは糖質が多くなりがちなので、選ぶなら野菜が多めのものを選びましょう。
外食 中華料理店で食べる
ごはん控えめで、野菜たっぷり
高エネルギー、高糖質、高塩分の料理が多く、栄養成分表示はない場合が多いので、「ごはんの量を少なく」「野菜たっぷり」を心がけましょう。ただし、めん類は野菜たっぷりでも要注意。例えばタンメンは1食で塩分が7g以上あり、1日の目標量(6g)を超えてしまうことに。食べる場合は、汁を半分は残し、前後の食事で減塩するなどの対策をしましょう。
例 八宝菜 + ライス(小)「半」や「小」でも充分な量(150g)
たんぱく質源と多種類の野菜が入っているのでおすすめです。ボリューム控えめのメニューを提供する店もあるので、食べすぎ防止には店選びも重要なポイント。
例 野菜炒め + 餃子(3個)小盛りやハーフサイズがちょうどいい量
野菜が豊富にとれるのがうれしい。餃子の皮はほぼ糖質なので、これをごはん代わりに。餃子自体に味がついているので、酢だけでもおいしく食べられます。
健康寿命を延ばすためにも、生活習慣病となるリスクは、食習慣を変えることによって、改善することが求められています。
以上のことを参考にして頂き、これからの人生を、健康で美しく、充実させるためにも食習慣を見直していきましょう。