血糖・血圧コントロール
血糖値や血圧が高いと生活習慣病のリスクが一気に高くなります。
生活習慣病と聞くと、どうしても「メタボ」や「肥満」が原因というイメージが強いためか、中年太りの男性が発症しやすいものと思っている人が多いようです。確かに症状が進み、重篤な疾患につながるのは40代以降の人に多いのですが、近年では食生活の欧米化や生活習慣の乱れに伴い、20代、30代の人でも、いつの間にか症状が進行していた、というケースが増えています。もちろんそれは男性に限ったことではありません。
Q、なぜ糖質を控えた方がいいのか?
A、年齢とともに血糖値が上がるからです。
健康な状態でも、年を重ねるにつれて血糖値が上がってきます。それは、女性は女性ホルモンの分泌低下や活動量の減少に伴って、太りやすくなることが一因です。仕事や子育てに奮闘していたころと同じ量を食べていたり、料理が好きで同居家族の人数が減ってもつい作りすぎたりなど、思い当たることはありませんか?
・糖質は血糖値を上げやすい
食後の血糖値の変化を見ると、糖質を食べたあとは急激に上昇しますが、脂質やたんぱく質ではほとんど上がりません。血糖値だけを考えれば、糖質を極力控えるのがよいように思えますが、そうすると脂質やたんぱく質の摂り過ぎを招くことになります。糖質を摂ることで栄養バランスがとりやすく、血糖値も安定します。やみくもに減らすのではなく、「適量」を摂ることが血糖コントロールには重要です。
・「控えすぎ」は続かない
高血糖を指摘された方のなかには、自己流で絶食のようなことをしているのを見受けます。しかし、それで一時的に血糖値が下がっても長くは続けられません。糖尿病は一生付き合う病気ですので、コントロールを続けられることが大事です。細く長く、波はあっても、極端なことをしないのが最善です。自分が続けられる方法を探ることから始めましょう。
・高血糖は動脈硬化を進める
動脈硬化による血管の石灰化は、だれでも加齢とともにゆるやかに進みますが、高血糖が続くことで血管に負担がかかり、悪化を助長します。糖質控えめは、血糖値の急激な上昇を抑えるとともに、動脈硬化の進行抑制にも役立ちます。
Q、なぜ塩分を控えた方がいいのか?
A、年齢とともに血圧が上がるからです。
加齢に伴って、血圧は上昇します。それは、加齢による自然な生理的変化で動脈硬化が進むからです。もともと血管は、しなやかで柔らかいものですが、徐々にかたくなっていきます。血管壁の線維組織が増加し、石灰化するなどして、弾力性や柔軟性を失うのです。これが加齢に伴う動脈硬化です。
・動脈硬化で血圧が上がる
こうした動脈硬化が大動脈で起こると、心臓から送り出される大量の血液をかたい血管壁で受けてしまうので、大動脈内の圧力が上がります。(いわゆる上の血圧が高い状態)さらに大動脈の先にある抹消の血管で動脈硬化が起こると、大動脈からの血液がスムーズに流れていかなくなるため、大動脈の血圧がなかなか下がらない状態になります。(いわゆる下の血圧が高い状態)
・塩分の摂り過ぎで血液量が増える
体に必要な量以上の塩分(ナトリウム)をとると、余分なナトリウムは腎臓から尿中へ排泄されますが、排泄された量以上にとり続けると、血液中のナトリウム濃度が高くなります。人間の体は変化を嫌うので、ナトリウム濃度を一定に保とうとして組織間(血管外)の水分が血液中に引き込まれ、血液量が増えます。すると血管壁に強い圧力がかかって、血圧が上がります。
減塩すれば、血液中の余分なナトリウムと水分を減らして血管壁にかかる圧力を弱めることができます。
高血糖や高血圧は動脈硬化を促進します。動脈硬化には、大きく分けて3つのタイプがあります。
粥状硬化は糖尿病、脂質異常症、高血圧が危険因子となります。中膜硬化は糖尿病の人に多く、細動脈硬化は高血圧の人に多くみられます。糖尿病の人は、動脈硬化による障害(大血管症)だけでなく、細い動脈の障害(細小血管症)も起こしやすくなります。大血管症には、脳梗塞や心筋梗塞など、細小血管症には、網膜症や腎症などがあります。
動脈硬化の3つのタイプ まとめ
・粥状硬化(一般に動脈硬化というのはこれ)
血管内膜にコレステロールなどがたまり、肥厚して内腔が狭くなります。糖尿病、脂質異常症、高血圧が危険因子になります。
・中膜硬化(糖尿病の人に多い)
血管内膜の筋繊維が石灰化してかたくなります。中膜組織がもろくなり、血管壁が破れることもあります。
・細動脈硬化(高血圧の人に多い)
脳や腎臓の細い動脈の内膜が肥厚して硬化します。高血圧が長く続いて起こることが多いです。
体全体の動脈硬化を進める要因は、糖尿病、高血圧、脂質異常症のはかに、加齢、喫煙、過食、肥満、運動不足、ストレスなどがあります。いま一度、自分自身の生活を振り返ってみてください。
次回は血糖コントロールとして食事を整えるポイントを紹介していきます。
身体に不調がありましたらKENZO接骨院にご相談ください。